海外転職:インドで暮らす
進化する都市生活と高いコストパフォーマンス
インドと聞くと、「混沌とした街並み」や「インフラの未整備」といったイメージを持つ方も多いかもしれません。しかし近年、特に都市部では急速な発展が進み、生活環境は大きく改善されています。
中でもデリー首都圏やグルガオン(グルグラム)は、日本人駐在員や現地採用者にとって住みやすいエリアとして注目されています。治安やインフラ、生活サービスが整っており、初めての海外生活でも安心して暮らすことが可能です。
限られた範囲での日本人向けサービス
インドには約9,000人前後の日本人が在住しており、特にデリーやグルガオン、バンガロールなどの都市部では、日本語対応の病院や日本食レストラン、日本人経営の美容室などが点在しています。
日本人向けのサービスアパートメントでは、家具・家電付きの部屋、日本食の朝食、ハウスキーピング、ランドリーサービス、日本人コンシェルジュなどが提供されており、短期・中期滞在者にとっては安心できる環境が整っています。
ただし、日本のようにどこでも日本語が通じるわけではなく、日用品や医薬品、サービスの選択肢も限られているため、「充実している」とまでは言い切れないのが現状です。必要なものは日本から持参する、あるいは代替品で対応する柔軟さが求められます
コストパフォーマンスの高い生活
インドの物価は日本と比べて全体的に約1/3〜1/2程度とされており、同じ収入でもより豊かな生活を送ることができます。ただし、都市部の高級住宅地では家賃が高めに設定されていることもあり、生活スタイルによってコスト感は異なります。
たとえば、家具付きの1LDKアパートは月5万〜10万ルピー(約9.5万〜19万円)程度が相場で、ジムやプール付きの物件も多く見られます。
英語環境での生活が可能
インドでは英語が準公用語として広く使われており、都市部では多くの人が英語を話します。そのため、英語を実践的に学びながら生活できる環境が整っており、語学留学の代替地としても注目されています。
海外転職:インドの住居
インドの住まい事情:ローカルから高級物件まで多彩な選択肢
インドでの生活を始めるにあたり、住居選びは非常に重要なポイントです。特にデリー首都圏や新興都市グルガオンでは、単身者から家族帯同者まで対応可能な多様な住居形態が整いつつあります。
間取り | 家賃(INR) | 日本円換算(約1INR=1.75円) |
1R〜1BHK | 25,000〜40,000 INR | 約4.4〜7万円 |
2BHK Bedroom, Hall, Kitchen (2LDK相当) | 40,000〜60,000 INR | 約7〜10.5万円 |
主な住居タイプ
コンドミニアム:セキュリティ完備、プール・ジム付きの高級物件もあり
サービスアパートメント:家具・家電付き、清掃・洗濯サービス付き
PG(Paying Guest):シェアハウス形式、単身者向けで費用を抑えたい人に人気
ローカル集合住宅:現地の生活に近いが、セキュリティや設備に注意が必要
住居選びのポイント
家具付きかどうかを確認(家具なし物件も多いため)
最上階は避ける(夏の猛暑対策)
セキュリティの有無(ゲート付き・警備員常駐が安心)
通勤アクセスと周辺施設(商業施設や日本食レストランの有無)
グルガオンは日本人に人気の新興都市
デリーから車で約1時間の距離にあるグルガオン(Gurugram)は、日系企業の進出が進み、日本人駐在員が多く住むエリアとして注目されています。日本食レストランや日本語対応の医療機関も増えており、日本人が生活しやすい環境が整いつつあります。
海外転職:インドの交通事情
インドの交通事情:移動手段は多彩、アプリ活用がカギ
インドでは、都市部を中心に交通インフラが整備されつつあり、日本人駐在員や現地採用者にとっても移動手段の選択肢が広がっています。特にデリー首都圏やグルガオンでは、公共交通と配車アプリの併用が一般的です。
交通手段 | 特徴 | 料金目安 |
ドライバー付き社用車 | 多くの日本人が利用。安全・快適 | 月契約または会社負担 |
タクシー | アプリで配車・料金明確・英語対応あり | オートリキシャーの約1.5倍 |
オートリキシャー(三輪タクシー) | 短距離向け。料金交渉が必要な場合あり | 初乗り30INR(約50円)、1kmあたり約10INR |
メトロ | デリー・グルガオン・ムンバイ・バンガロール・チェンナイで運行 | 25INR〜(約45円〜) |
長距離移動(列車・バス・飛行機) | 国内出張や旅行に便利 | 距離・手段により変動 |
メトロの発展と利便性
デリー・グルガオン間のメトロは通勤にも便利で、安全性・清潔さ・時間の正確さが評価されています。
女性専用車両やセキュリティチェックもあり、外国人でも安心して利用できます。
注意点とアドバイス
オートリキシャーはメーター制でも交渉されることがあるため、事前に料金確認を。
配車アプリは、料金が明確でトラブルが少なく、英語対応のドライバーも多いため安心です。
交通渋滞が激しい時間帯(朝夕)は、移動時間に余裕を持つことが大切です。
交通渋滞と交通マナー
都市部では車両数の急増に対してインフラ整備が追いついておらず、慢性的な渋滞も発生しやすい。
リスク:
通勤時間の大幅なロス(1時間以上かかることも)
交通事故のリスク(歩行者優先の意識が低い)
対策:
通勤時間をずらす(フレックスタイム制の活用)
職住近接を意識した住居選び
配車アプリを活用
海外転職:インドの食事
北部では小麦の薄焼きパン(チャパティ)、南部と東部では米を主食とし、スパイスを多用した料理 がインド全土で食べられます。
国土の広さに比例してその味付けは地域ごとのバラエティに富み、各地の料理を食べ比べるとその多様さを実感することができます。
和食、洋食、中華などのレストランも揃っています。
比較ポイント(1INR ≒ 1.75円換算)
屋台は非常に安価で、日本食はやや高めですが、都市部では選択肢が豊富です。
屋台(ストリートフード):約52円(30INR)
日本食レストラン:約1,050〜1,400円(600〜800INR)
ファーストフード:約350〜610円(200〜350INR)
水道水は引用に適さないので注意
リスク:インドの多くの地域では、水道水に細菌や重金属が含まれている可能性があり、飲用には適していません。
対策:
市販のミネラルウォーターを使用(信頼できるブランドを選ぶ)
ウォーターサーバーや浄水器(ROフィルター)を設置
外食時も氷や水に注意(氷は水道水から作られていることが多い)
衛生環境と感染症
都市部でもゴミの不法投棄や下水処理の不備が見られ、衛生状態が日本と比べて劣る。
リスク:デング熱、マラリア、腸炎などの感染症
対策:
蚊よけ対策(蚊帳、虫除けスプレー、長袖着用)
生ものや屋台の食事は避ける
渡航前に予防接種(A型肝炎、破傷風、狂犬病など)
海外転職:インドの医療
インドでは、最新の医療設備を備えた私立病院が都市部を中心に多数存在しており、欧米で研修を受けた優秀な医師が多く勤務しています。特にデリー、グルガオン、ムンバイ、バンガロールなどの大都市では、外国人向けの医療サービスや対応窓口を設けている病院も増加しています。日本語対応が可能な病院・クリニックも主要都市を中心に少数ながら存在しています。※地方や公立病院では医療水準にばらつきがあり、インド全体として高水準とは言い切れません。
インドでの生活を安心して送るためには、信頼できる私立病院の情報を事前に把握し、医療保険に加入しておくことが重要です。
私立病院の特徴
英語が通じるため、外国人でも安心して受診可能
外国人専用の受付窓口やVIPルームを設けている病院もあり
医療費は高額になることもあるため、海外医療保険の加入が推奨されます
健康管理の注意点
インドは気候変化が激しく、消化器系の感染症や大気汚染による呼吸器疾患が多いため、体調管理には十分な注意が必要です。
日本の薬は現地で手に入りにくい場合があるため、常用薬は持参することをおすすめします。
水や生野菜の摂取には注意し、衛生面にも気を配ることが重要です。
医療制度と保険
インドには国民皆保険制度はなく、医療保険加入率は約25%程度。
外国人は現地の民間医療保険に加入するか、日本の海外旅行保険を利用するのが一般的です。
FRRO登録やVISA取得時に保険加入が求められる場合もあります。
日本語対応可能な病院(都市別)
日本人駐在員が多い都市には最低1つは存在しています。安心して医療を受けるためには、事前に日本語対応の有無を確認し、必要に応じてオンライン診療サービス(日本人医師)を併用するのが理想的です。
デリー
Madhukar Rainbow Children’s Hospital 小児・産科専門病院 日本語ヘルプデスクあり
グルガオン
Fortis Memorial Research Institute 私立総合病院 日本語ヘルプデスクあり
バンガロール
Sakra World Hospital 日系企業が経営に関与 日本語ヘルプデスクあり 健康診断も日本式で対応
海外転職:インドの教育事情
インターナショナルスクール・日本人学校・インドローカル学校の3つの選択肢があり、教育費は学校の種類によって大きく異なります。
比較ポイント
インターナショナルスクール:平均約200万円/年(※さらに高額な学校も存在)
現地のインターナショナルスクール、ブリティッシュスクール、アメリカンスクールなどがあり、在住外国人があまり多くないため生徒の7割以上はインド人となることが多い。
日本人学校:約45万円/年(比較的安価で日本語・英語教育が受けられる)
入学金は約30万、学費は約45万円/年、スクールバスは約1~2万円/月 です。
ローカル私立学校:平均約10万円/年(幅広い価格帯で、教育レベルも学校により差が大きい)
都市部の私立学校では、幼稚園から12年生(高3相当)までの一貫教育を行う学校が多く、英語で教育が行われている。
私立学校は授業料も様々で、教育のレベルも学校によって大きく異なっている。公立学校は8年生まで無料、私立学校は約1~40万/年。※上記にはそれぞれその他に諸経費がかかります。
※公立学校(ガバメントスクール)はヒンディー語等のローカル言語(州の公用言語等)を中心として授業が行われ、インドの中間層以上の家庭の子どもは私立学校に通う傾向。特に都市部においては一般的。
海外転職:インドでの生活費シミュレーション
<年収162.5万ルピーの場合 -単身でインドに滞在-> ※INR=ルピー / 1INR=約1.75円(2025年5月現在)
内訳 | 日本円/月 |
家賃 | 50,000 |
食費 | 45,000 |
水道光熱費 | 8,000 |
携帯電話 | 2,000 |
その他 | 10,000 |
所得税 | 70,000 |
貯金 | 50,000 |
合計 | 235,000 |
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