海外転職:インドの給与
最低年収は約300万円、英語力と柔軟性がカギ
経済成長が続くインドは、日本人を含む外国人にとって注目の転職先となっています。特にIT、製造、建設、コンサルティングなどの分野では、日本人の専門性が求められる場面が増加しており、現地採用や駐在員としての就労機会が広がっています。
就労ビザの最低年収要件
インドで就労ビザを取得するためには、最低年収162.5万INR(約300万円)以上が必要です。この条件はすべての外国人に共通であり、企業側もこの基準を前提に雇用契約を結ぶのが一般的です
インド給与目安:職種別・役職別の年収
インドでの給与は、職種や役職、勤務地、企業規模によって大きく異なります。以下は、日本人が多く従事する職種の年収目安です
(※1INR ≒ 1.75円、2025年5月時点の為替レートに基づく)
職種 | 一般レベル | 管理職レベル |
内勤事務/総務等 | 163 ~ 250万INR(約285万円〜438万円) | 200 ~ 250万INR(約350万円〜438万円) |
経理・財務 | 163 ~ 300万INR(約285万円〜525万円) | 200 ~ 600万INR(約350万円〜1,050万円) |
営業 | 163 ~ 250万INR(約285万円〜438万円) | 200 ~ 500万INR(約350万円〜875万円) |
技術(製造業) | 163 ~ 300万INR(約285万円〜525万円) | 200 ~ 600万INR(約350万円〜1,050万円) |
技術(建設/インフラ) | 163 ~ 300万INR(約285万円〜525万円) | 300 ~ 700万INR(約525万円〜1,225万円) |
コンサルティング | 163 ~ 320万INR(約285万円〜560万円) | 250 ~ 500万INR(約438万円〜875万円) |
※上記はあくまで目安であり、企業の業種・規模・勤務地・経験年数などによって変動します。
為替と生活コストを踏まえた給与の見方
インドは物価が比較的安いため、現地通貨での年収が日本より低く見えても、生活水準は十分に確保できるケースが多くあります。たとえば、家賃や食費、交通費は日本よりも大幅に安く、生活費を抑えながら貯蓄に回すことも可能です。
ビザと法的要件:就労ビザには最低年収の条件あり
インドで働くためには、Employment Visa(就労ビザ)の取得が必要です。2025年現在、インド政府は外国人労働者に対し、年収「162万5,000インドルピー(INR)」以上をビザ発給の条件としています。これは日本円に換算すると、約300万円に相当します(1INR ≒ 1.75円、2025年5月時点)。
この条件は、日本人を含むすべての外国人に共通であり、インド国内で報酬を得て働く場合には必ず満たす必要があります。企業側もこの条件を前提に雇用契約を結ぶため、転職活動の初期段階で確認しておくことが重要です。
海外転職:インドのボーナス
インドで働く際には、給与だけでなくボーナス制度の仕組みも重要なポイントです。インドでは、「ボーナス支払法(Payment of Bonus Act, 1965)」に基づき、一定の条件を満たす企業には従業員へのボーナス支給義務が発生します。
ボーナス支給が義務となる条件(2025年現在)
以下の条件をすべて満たす企業は、従業員に対してボーナスを支払う法的義務があります。
設立から5年以上経過していること
会計年度中に1日でも20名以上の労働者を雇用していること
その年度に利益が出ていること
対象となる従業員の月給が21,000INR以下であること
これらの条件を満たす場合、企業は「最低8.33%、最大20%」のボーナスを支払う必要があります。
支給額とタイミング
最低支給額:基本給の8.33%または州の最低賃金のうち高い方
上限支給額:基本給の20%または7,000INR × 20%のいずれか高い方
支給時期:通常は年末(12月)に支給されることが多いが、企業によって異なる
支払い期限:会計年度末から8か月以内に支給する必要がある
実態:年俸制や業績連動型も増加中
実際には、以下のようなケースも多く見られます。企業の方針や業績によって、支給の有無や金額が大きく変動するため、労働契約書や就業規則の確認が必須です。
年俸の12分割でボーナスなし
固定ボーナス(1〜2か月分)
業績連動型(1か月分程度)
注意点
地域ごとに税制や規則が異なるため、勤務地の州法にも注意が必要
外資系企業や日系企業では独自のボーナス制度を採用している場合も多く、一律ではない。
インドでの就業においては、ボーナス制度の法的枠組みと実務上の運用の両方を理解しておくことが重要です。契約前に制度の詳細を確認することで、トラブルを未然に防ぐことができます。
海外転職:インドの福利厚生・諸手当
インド就職の福利厚生:確認すべき手当とサポート内容とは?
インドでの就職を検討する際、給与だけでなく福利厚生や諸手当の内容も重要な判断材料となります。以下は、インドで働く日本人に提供されることが多い主な福利厚生項目です。
項目 | 内容 |
住宅手当 | 支給されないケースが多いが、工業地帯勤務の場合は支給されることが多い |
交通手当 | 多くの企業で運転手付き送迎サービスを提供 |
健康保険 | 現地医療保険に加入するのが一般的 |
通信費補助 | 一部企業で支給あり |
残業代 | 支給されないことが多く、給与に含まれるケースが一般的 |
VISA・FRRO取得費用 | 企業がサポートするのが一般的 |
赴任時航空券 | 多くの企業で日本からの渡航費を支給 |
一時帰国費用 | 年1回など、企業によって支給あり |
ホテル滞在費 | 赴任直後の住居確保までの滞在費を支給する企業もあり |
ポイント
福利厚生の内容は企業ごとに大きく異なるため、内定時に契約書やオファーレターでの確認が必須です。
特に住宅手当や送迎サービスの有無は、生活コストに大きく影響するため、事前に確認しておくと安心です。
医療保険のカバー範囲や提携病院もチェックポイントです。
海外転職:インドの税金(インドの所得税)
累進課税が基本、最高税率は30%
インドの所得税制度は、累進課税方式を採用しており、所得が増えるほど税率が高くなる仕組みとなっています。年収240万INR(約480万円)を超えると、最高税率の30%が適用されます。
課税収入 | 税率 |
25万INR以下 | 0% |
25万INR超 | 5% |
50万INR超 | 10% |
75万INR超 | 15% |
100万INR超 | 20% |
125万INR超 | 25% |
150万INR超 | 30% |
日本人駐在員の多くが最高税率の対象に
日本人がインドで就労するためには、Employment Visaの取得が必要であり、その条件として最低年収162.5万INR(約325万円)以上が求められます。この条件を満たす場合、多くの日本人駐在員は課税所得240万INRを超える可能性が高く、結果として30%の税率が適用されるケースが一般的です。
居住ステータスによる課税範囲の違い
インドでは、滞在日数に応じて「居住者」「非居住者」などのステータスが決定され、それにより課税対象となる所得の範囲が異なります。たとえば、182日以上インドに滞在した場合は「居住者」と見なされ、全世界所得が課税対象となります。
生活コストの低さが手取りを補う
一方で、インドの生活費(家賃・食費・交通費など)は日本と比べて大幅に安価であるため、税引き後の手取りが減っても、貯蓄が可能なケースが多いのが特徴です。特に、企業が住宅手当や通勤費を支給する場合、実質的な生活負担はさらに軽減されることになります。
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