海外転職:ベトナムの就労ビザ/就労許可書
経済成長が著しいベトナム。日本人にとっても人気の海外転職先として注目を集めていますが、現地で働くには「就労ビザ」と「労働許可書(ワークパーミット)」の取得が必要です。ここでは、2025年時点の最新情報をもとに、ベトナムでの就労に必要な手続きについて詳しくご紹介します。
日本人はビザなしで45日間滞在可能、ただし就労にはビザが必須
現在、日本国籍を持つ方は、観光や短期出張などの目的であれば、ビザなしで最大45日間の滞在が認められています。しかし、現地で報酬を得て働く場合は、必ず「就労ビザ(LDビザ)」の取得が必要です。
LDビザには以下の2種類があります:
LD1ビザ:労働許可書が免除される特定の専門職や管理職向け
LD2ビザ:労働許可書が必要な一般的な就労者向け
ビザの有効期間は最長2年ですが、初回申請時は1年で発給されるケースもあります。申請には、雇用主による招聘状(インビテーションレター)の発行や、各種書類の準備が必要です。申請から取得までには通常1か月程度を要しますが、審査の混雑状況や書類不備によってはさらに時間がかかることもあります。
労働許可書(ワークパーミット)は3か月以上の就労で必須
ベトナムで3か月を超えて働く場合は、就労ビザに加えて「労働許可書(Work Permit)」の取得が義務付けられています。これはベトナム労働・傷病兵・社会問題省(MOLISA)が発行するもので、有効期間は最長2年。更新も可能です。
労働許可書の取得に必要な主な書類:
パスポートとビザのコピー(全ページ、公証付きが望ましい)
大学卒業証明書または5年以上の職務経歴証明書(英語またはベトナム語訳が必要)
健康診断書(ベトナム政府指定の病院での受診が必要。費用は約50〜100米ドル)
無犯罪証明書(日本の警察署で取得。取得までに約1か月)
証明写真(3×4cm、背景白、耳を出す、眼鏡なし)
これらの書類の一部は、日本国内での公証、外務省認証、ベトナム大使館での領事認証が必要な場合もあります。書類の不備や翻訳ミスがあると申請が遅れるため、専門の代行業者を利用するケースも増えています。
TRC(一時在留許可証)の取得も検討を
1年以上の滞在を予定する場合は、「一時在留許可証(TRC:Temporary Residence Card)」の取得も必要になることがあります。TRCは、LDビザ取得後に現地で申請する在留資格証明書で、再入国時のビザ取得が不要になるなどのメリットがあります。
制度変更に注意、最新情報の確認を
ベトナムの就労ビザ・労働許可制度は、年々アップデートされています。2023年以降、外国人労働者に対する規制が強化され、労働許可書の取得には「職種に関連する3年以上の実務経験」が求められるようになりました。また、健康診断書や無犯罪証明書の提出要件も明確化され、書類不備による申請却下のケースも増えています。
渡航前の確認が不可欠、企業のサポート体制もチェックを
こうした制度変更に対応するためには、渡航前に必ず最新の情報を確認することが不可欠です。確認先としては、以下のような機関が挙げられます。また、企業によっては、ビザやワークパーミットの取得をサポートしてくれる体制が整っている場合もあります。雇用契約時に、ビザ取得の支援内容や費用負担の有無について確認しておくと安心です。
駐日ベトナム大使館・領事館
ベトナム労働・傷病兵・社会問題省(MOLISA)
現地のビザ・労務専門エージェント
JETROや在ベトナム日本商工会議所(JCCI)などの公的機関
書類の準備は「早め・正確に」が鉄則
制度変更により、書類の公証・翻訳・認証などにかかる手間や時間も増加傾向にあります。特に日本国内で取得する無犯罪証明書や卒業証明書は、取得に1か月以上かかることもあるため、早めの準備が求められます。
海外転職:ベトナムで求められる英語力・語学力
経済成長を続けるベトナムは、日本人にとっても人気の海外転職先のひとつです。現地での就職にあたって気になるのが「語学力」。英語やベトナム語のスキルは、どの程度求められるのでしょうか。
英語ができるベトナム人は多いが、日常会話レベルでも就職可能
ベトナムでは、若年層を中心に英語教育が進んでおり、特に都市部では英語を話せる人材が多く見られます。外資系企業や日系企業の現地法人でも、英語を共通言語とする職場が増えており、ビジネスの現場で英語が使われる機会は年々増加しています。
一方で、日本人がベトナムで働く場合、必ずしも高い英語力が求められるわけではありません。実際には、日常会話レベルの英語力でも対応可能な求人が多数存在しており、語学に自信がない方でも就職のチャンスは十分にあります。
ただし、英語力が高ければ高いほど、社内での信頼や昇進のチャンスが広がるのも事実です。特にマネジメント職や外資系企業では、ビジネスレベルの英語力が求められる傾向にあります。
ベトナム語はできれば大きなアドバンテージに
ベトナム語は、日常生活やローカルスタッフとのコミュニケーションにおいて重要な役割を果たします。ベトナム語が話せることで、現地スタッフとの信頼関係を築きやすくなり、チーム内での連携もスムーズになります。とはいえ、ビジネスレベルでベトナム語を使いこなせる日本人はまだ少なく、求人で必須とされることはほとんどありません。それでも、簡単な挨拶や日常会話ができるだけでも、現地での評価が高まるケースは多く、スピーキングのみでも十分なアドバンテージとなります。
語学力は「就職後に伸ばす」姿勢も評価される
ベトナムでは、語学力が不十分な状態で就職し、その後の実務を通じて英語やベトナム語を習得していく方も多く見られます。語学力に不安がある方も、「学ぶ意欲」や「現地に溶け込む姿勢」が評価される傾向にあります。語学学校やオンライン学習サービスも充実しており、働きながら語学力を高める環境は整っています。特にベトナム語は、発音や文法に独特の特徴があるため、現地での実践を通じて学ぶことが効果的です。
まとめ:語学力は「必須」ではなく「強み」
語学力は、ベトナムでの就職において「必須条件」ではなく、「強み」として活かせるスキルです。完璧を目指すよりも、現地での経験を通じて少しずつ習得していく姿勢が、長く活躍するための鍵となるでしょう。
海外転職:ベトナムで求められるスキル・人物像
経済成長を続けるベトナムでは、日系企業や外資系企業の進出が加速しており、日本人の現地採用も年々増加しています。では、ベトナムで求められる人材とは、どのようなスキルや人物像なのでしょうか。
即戦力としての営業・マーケティング経験が重視される傾向
ベトナム市場では、営業経験やマーケティングスキルを持つ人材が特に重宝されています。現地の消費者ニーズや文化的背景を理解し、柔軟に対応できる人材は、企業にとって即戦力となる存在です。特に、日系企業が現地市場向けに商品やサービスを展開するケースが増えており、ローカル市場に精通したマーケターや営業担当者の需要が高まっています。市場調査、販路開拓、現地パートナーとの交渉など、幅広い業務に対応できる人材が求められています。また、製造業やIT業界では、プロジェクトマネジメント、品質管理、エンジニアリングなどの専門スキルを持つ人材も高く評価されています。特に、日越間の橋渡し役として、技術とコミュニケーションの両方に長けた人材が重宝されています。
スタートアップでは「やる気」や「柔軟性」がカギに
一方で、スタートアップ企業では、経験よりもポテンシャルや人柄を重視する採用が増えています。変化の激しい環境においては、マニュアル通りの対応よりも、自ら課題を見つけて行動できる積極性や柔軟性が求められます。「完璧なスキル」よりも、「学ぶ意欲」や「現地に溶け込む姿勢」が評価される傾向にあり、若手や未経験者にとってもチャンスが広がっているのが特徴です。実際に、現地でキャリアをスタートさせ、数年でマネジメントポジションに昇進する日本人も少なくありません。
異文化理解と日本的ビジネスマナーの両立が重要
日系企業であっても、社内の大半はベトナム人スタッフで構成されているケースが一般的です。そのため、ベトナム文化を理解し、現地スタッフと良好な関係を築く姿勢が非常に重要です。一方で、日本人としての丁寧なビジネスマナー、責任感、報連相(報告・連絡・相談)といった仕事観を持ち続けることも求められます。異文化の中でバランスよく立ち回れる「柔軟性」と「協調性」が、現地での成功のカギとなります。
求められるのは「スキル」だけでなく「姿勢」
ベトナムでの就職・転職においては、専門スキルや経験だけでなく、現地に適応しようとする姿勢や人間性も大きな評価ポイントとなります。語学力や文化理解、そして何より「現地で何をしたいか」という明確な目的意識が、採用の決め手になることも少なくありません。
補足
労働許可証の取得条件として、専門職や技術者には「大卒+3年以上の実務経験」が求められるため、一定の職歴があることが前提となる場合があります。
語学力(英語)も職種によっては重要で、特に商社・物流・IT分野ではビジネスレベルの英語力が求められることがあります。
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