海外転職:インドネシア就労ビザ / 就労許可書
就労ビザ取得の流れと注意点を解説
経済成長を続けるインドネシアでは、外国人労働者の受け入れが年々拡大しており、日本人を含む多くの人材が現地でのキャリア形成を目指しています。特に日系企業の進出が活発な中、インドネシアで働くために必要な「就労ビザ(VITAS:インデックスE23/E24)」および「一時滞在許可(ITAS)」の取得手続きが重要なステップとなります
ステップ1:企業による申請(RPTKA)
まず、雇用主となる企業が「外国人労働者雇用計画書(RPTKA)」をインドネシア労働省に提出し、承認を得る必要があります。
この計画書には、職務内容、雇用期間、給与水準、教育訓練計画などが記載され、政府による審査を受けます。
ステップ2:通知と補償金の手続き(Notifikasi / DKP-TKA)
RPTKAの承認後、企業は「外国人労働者通知(Notifikasi)」を取得し、「外国人雇用補償金(DKP-TKA)」を納付します。
この補償金は、外国人1人あたり月額100米ドル(年間1,200米ドル)が目安で、インドネシア人労働者の育成支援を目的とした制度です。
ステップ3:本人によるビザ申請(VITAS → ITAS)
企業がスポンサーとなり、就労者本人のために「就労目的の暫定居住ビザ(VITAS:インデックスE23/E24)」を申請します。
このビザを取得してインドネシアに入国後、現地で「一時滞在許可(ITAS)」へ切り替える必要があります。
E23:一般職向け、E24:IT関連職向け
ITASの有効期間は6か月〜2年で、延長も可能です。
ITASは「KITAS」とも呼ばれますが、正式名称は「ITAS(Izin Tinggal Terbatas)」です。
その他の注意点
教育訓練義務
外国人を雇用する企業には、インドネシア人への技術移転や教育訓練の実施が義務付けられています。これはRPTKA(外国人雇用計画書)提出時に明記される要件の一つであり、企業は外国人雇用による利益を現地人材の育成にも還元することが求められます。
社会保障制度(BPJS)
外国人労働者も、一定の条件を満たす場合にはインドネシアの国家社会保障制度(BPJS)への加入が義務付けられることがあります。特に長期滞在者や現地採用者は、健康保険(BPJS Kesehatan)や労災保険(BPJS Ketenagakerjaan)への加入対象となる可能性があります。
ビザの更新・延長
ITASの延長や更新には、再度の手続きと条件確認が必要です。有効期間は6か月〜2年で、延長は現地の入国管理局で行います。更新時には、雇用契約の継続やRPTKAの再確認が求められる場合があります。
就労ビザの種類(一部)
2025年現在、インドネシアの就労ビザは「インデックスE23(一般職)」や「E24(IT関連職)」などに分類されており、これらは「VITAS(Visa Izin Tinggal Terbatas)」と呼ばれる一時滞在ビザの一種です。ビザの発給後は、入国管理局による審査を経て、正式な滞在許可(ITAS)が与えられます。
ビザの種類 | インデックス | 対象者・目的 | 有効期間 | 備考 |
一時滞在就労ビザ | E23(旧C312) | 一般職の外国人労働者 | 6か月〜2年 | 最も一般的な就労ビザ |
IT関連就労ビザ | E24 | IT分野の専門職 | 6か月〜2年 | 技術職向け |
投資家ビザ | E25 | 一定額以上を投資する外国人 | 1年〜5年 | 投資額に応じて発給 |
家族帯同ビザ | E31B | 就労者の配偶者・子ども | 就労者のITASに準ずる | 就労不可 |
配偶者ビザ | C317 | インドネシア人配偶者を持つ外国人 | 6か月〜2年 | 就労には別途許可が必要 |
必要書類(一般的な就労ビザの場合)
職歴証明書(5年以上が目安)
卒業証明書(大学卒以上が基本)
パスポート全ページのコピー
証明写真(赤背景指定)
雇用契約書(企業側が用意)
費用と負担
就労ビザ(E23/E24/E25):約20,000,000ルピア(約17万円)
家族帯同ビザ(E31B):約15,000,000ルピア(約13万円)
通常、企業側が全額負担するのが一般的です。
注意点と補足
学歴・職歴要件:大学卒+5年以上の職務経験が基本。ただし、6か月の短期ビザであれば、条件が緩和される場合があります。
ビザ制度は頻繁に変更されるため、申請前に最新情報を確認することが重要です。
転職や職務内容の変更時には、再申請が必要になることがあります。
C317ビザは配偶者ビザですが、就労には別途許可が必要です
IMTA(外国人雇用許可)は2018年以降不要となっています。
海外転職:インドネシアで求められる英語力・語学力
インドネシアで働く際には、英語力やインドネシア語力が重要なポイントとなります。英語ができれば選択肢が広がりますが、インドネシア語が話せることで、英語が苦手な方でも活躍できる場面は多くあります。企業の業種や職種によって求められる語学力は異なるため、求人情報や企業文化を事前に確認することが大切です。
インドネシアの言語事情
公用語:インドネシア語(Bahasa Indonesia)
地方言語:国内には300以上の民族が存在し、以下のような言語も使用されています:
バリ語
ジャワ語
スンダ語
マドゥラ語 など
都市部では英語も通じる場面がありますが、日常生活ではインドネシア語が基本です。
企業別に求められる語学力
※職種によっては、英語よりもインドネシア語が重視される場合もあります(例:現地営業職やローカルスタッフとの連携が多い業務)。
外資系・インターナショナル企業
英語が主言語
社内文書、会議、メールなども英語が基本
ビジネス英語レベルのスキルが求められる
日系企業
日本語・英語・インドネシア語の混在
最低でもTOEIC600点程度の英語力があると安心
英語を話す現地スタッフも多い
日本語が話せるスタッフも在籍していることが多い
英語が苦手でも、業務レベルのインドネシア語力があれば就業可能
英語が苦手な方へ
インドネシア語が話せる場合はチャンスあり
留学経験や長期滞在経験がある方は有利
現地スタッフとの円滑なコミュニケーションが可能
インドネシア語の特徴
文法が比較的シンプルで、日本人にも学びやすい言語とされています。
発音もローマ字読みが基本で、習得しやすい傾向があります。
まとめ
英語力があると選択肢が広がるが、インドネシア語力も非常に有効。
業種・職種・企業文化によって求められる語学力は異なる。
語学力に不安がある場合は、現地語学学校やオンライン学習を活用するのもおすすめです。
語学力以外の要素:企業は語学力だけでなく、職務経験や異文化適応力、柔軟性なども重視しています。
海外転職:インドネシアで求められるスキルと人物像
インドネシアでのキャリアを成功させるためには、語学力だけでなく、柔軟な働き方や異文化への適応力、人間性も重要な要素となります。
求められる人物像
自主性がある人
→ 日本人社員が少ない職場では、自ら考え行動できる力が重視されます異文化理解と柔軟性がある人
→ インドネシアでは日本と異なる価値観やビジネス習慣があるため、柔軟な対応力が必要です海外生活への強い意志がある人
→ 異国での生活には、環境の変化に対する覚悟と適応力が求められます
スキル・経験
学歴よりも職務経験が重視される傾向
→ 特に3年以上の実務経験があると評価されやすい人柄や仕事への意欲も重要視
→ チームワーク、責任感、前向きな姿勢などが評価されるポイントですマネジメント経験:管理職や専門職では、語学力に加えて海外でのマネジメント経験が求められることがあります
若手人材の需要:営業職などでは、若手であっても語学力と意欲があれば採用されやすい傾向があります。
語学力
英語力:外資系・日系企業問わず、英語でのコミュニケーションが求められる場面が多い
インドネシア語力:現地スタッフとの円滑なやり取りや生活面で役立つ
語学力が高いほど、キャリアの選択肢が広がる
まとめ
インドネシアでの転職では、語学力+実務経験+人間力が成功のカギです。単なるスキルだけでなく、現地で働く覚悟や異文化への理解力がある人材が求められています。
|