世界には英語をビジネスの主言語とする国がいくつかありますが、インドもその一つです。インドで日本人が働く職場の多くでは英語が共通語となっており、ビジネスの場ではもちろん、都市部の日常生活でもインド人同士が英語で会話する光景をよく見かけます。
一方で、「インド英語は訛りが強い」「ヒングリッシュ(ヒンディー語+英語)で話す」といった印象を持つ方もいます。しかし、実際にはインドのビジネス現場で使われる英語は年々国際レベルに近づいており、英語を母語とする層「Indo-Anglians」の存在がその背景にあります。
インド都市部では英語のみを話す人が150万人以上
インドの都市部では、「英語のみを話す人」「英語が第一言語の人」「英語が第二言語の人」の人口が急速に増加しています。特に「英語のみを話す人」は、2025年時点で150万人以上いると推定されており、教育水準が高く、インターナショナルスクールや英語中心の教育を受けた層が中心です。
彼らは海外留学経験も豊富で、非常に流暢な英語を話し、欧米のビジネス文化にも精通しています。
インド英語の分類:3つの英語話者層
IAs(Indo-Anglians)
英語のみを話す人々。都市部に住み、家庭内の会話も英語で行われ、思考も英語で行う層。過去10年で急増し、今後さらに増加が予測されています。EFs(English First)
英語を第一言語として使うが、インドの地域言語も話せる層。バイリンガルであり、ビジネスや教育の場で柔軟に対応できます。ECs(English Comfortable)
英語を第二言語として使う層。日常では地域言語を使いながらも、学校教育などで英語を習得し、ビジネスでも問題なく使用できるレベルです。
教育とビジネスの変化
Indo-Angliansの増加に伴い、インドの教育環境も大きく変化しました。1990年代以降、欧米式の教育を取り入れた学校が増え、英語を主要言語とする「English-medium school」が都市部を中心に拡大。これにより、英語が日常的に使われる文化が定着しました。
Indo-Angliansはこうした教育を受けた後、インド工科大学(IIT)などの名門大学に進学し、アメリカやイギリスの大学院へ留学。卒業後は外資系企業に就職したり、インドでスタートアップを立ち上げるケースも増えています。
インド英語は「使える英語」
インドのビジネス現場では、英語が事実上の共通語です。業界や職種によってアクセントや表現に違いはありますが、コンサルティングやITなどの分野では、ネイティブに近い英語を話す人も多く、国際的なビジネスに十分対応できるレベルです。
日本人がインドで働く場合も、英語での業務遂行が基本となるため、英語力の向上が自然と求められます。実際に「自宅以外ではすべて英語でコミュニケーションを取る」という環境で働く日本人もおり、スピーキング力が飛躍的に伸びる傾向があります。
インドのビジネスの場では英語がマスト
インドのビジネスの場では英語がマスト
インドでは、ビジネスの現場で英語を話すインド人が非常に多く、インド人同士でも英語でコミュニケーションを取ることが日常的に行われています。外国人とのやり取りはもちろん、社内の会議や資料作成、メールなども英語で行われるのが一般的です。
英語はインドの準公用語であり、特に都市部では英語が事実上の共通語として機能しています。多言語国家であるインドにおいて、英語は異なる言語背景を持つ人々をつなぐ「橋渡し言語」としての役割も果たしています。
ビジネスの場の英語のレベル感は?
業界や職種によって、英語のレベルやアクセントには違いがあります。たとえば、コンサルティング業界や外資系企業では、大学院卒や海外での就学・就業経験を持つインド人が多く、ネイティブに近い発音や表現を使う人も珍しくありません。
一方で、ローカル企業や製造業などでは、いわゆる「ヒングリッシュ(ヒンディー語+英語)」と呼ばれる独特のイントネーションや語彙を使うケースもあります。ただし、いずれの場合も、ビジネスに必要な情報伝達は問題なく行えるレベルに達しており、実務上の支障はほとんどありません。
業界を問わず共通して言えるのは、インドで働く上では英語が共通語であり、インド人従業員にとっても英語力の高さが日系企業に就業するための前提条件になっているということです。
日本人の英語使用頻度は?
インドで働く日本人も、日常的に英語を使用する機会が非常に多くあります。特に、現地スタッフが数十名、日本人が1名というような環境では、業務上のすべてのやり取りを英語で行う必要があります。
実際に「自宅以外ではすべて英語でコミュニケーションを取っている」という日本人ビジネスパーソンも多く、こうした環境に身を置くことで、英語のスピーキング力が飛躍的に向上する傾向があります。
多言語文化のインドは、日本人にとっても英語実践の好環境
インド人にとって英語は準公用語であり、ビジネスでは公用語のように使われていますが、彼らも英語を母語として育ったわけではありません。多くのインド人は、幼少期から英語教育を受け、実践を重ねながら英語力を身につけてきました。
そのため、英語が完璧でない日本人に対しても、理解しようとする姿勢があり、コミュニケーションにおいて過度なストレスを感じることは少ないようです。これは、英語を学ぶ過程で苦労した経験を共有しているからこそ生まれる共感とも言えるでしょう。
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