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シンガポールにおけるIT業界の転職市場動向

【シンガポール】IT業界の転職市場動向

IT業界での経験を活かし、海外でのキャリアを検討されている方にとって、シンガポールの転職市場の現状や今後の見通しは気になるところではないでしょうか。特に「IT業界の売り手市場はいつまで続くのか」という点は、多くの方が注目しているテーマです。

本記事では、シンガポールにおけるIT業界の求人動向、求められる人材像、年収水準、そして実際の転職事例をもとに、海外就職を目指す方に役立つ情報をお届けいたします。

目次

1)シンガポールにおけるIT業界のトレンド

2)ニーズの高い職種・ポジション

3)IT業界で求められる人物像について

4)IT業界の年収事情

5)IT業界におけるキャリアの魅力

6)転職事例

7)シンガポールのIT業界への転職ならJAC Recruitment ITチームにお任せください

シンガポールにおけるIT業界のトレンド

AI、クラウド、サイバーセキュリティといった分野を中心に、シンガポールのIT業界は引き続き成長を続けております。特に政府主導のデジタル化政策や、ASEAN地域との連携強化により、IT人材の需要は高水準を維持しています。

ただし、2023年以降、就労ビザの取得要件が厳格化された影響もあり、企業側はより明確なスキルと実績を持つ人材を求める傾向が強まっています。市場全体としては依然として活況ですが、採用基準は一層精緻化されているのが現状です。

ニーズの高い職種・ポジション

現在、特に需要が高いのは以下のような職種です:

  • クラウドアーキテクト(AWS、GCPなどの設計・運用)

  • AI/機械学習エンジニア

  • サイバーセキュリティスペシャリスト

  • データサイエンティスト/エンジニア

  • プロジェクトマネージャー(金融・製造業向け)

  • ITコンサルタント(業務改革・戦略支援)

いずれのポジションも、5年以上の実務経験が求められるケースが多く、専門性の高さが採用の鍵となっています。

IT業界で求められる人物像について

シンガポールでは、「人材に合わせてポジションを用意する」のではなく、「ポジションに合った人材を採用する」という考え方が主流です。そのため、ジェネラリストよりも、特定分野に強みを持つスペシャリストが高く評価されます。

転職活動を始める前には、自身のスキルや経験を棚卸しし、「どの分野で貢献できるか」「今後どのようなスキルを伸ばしたいか」を明確にすることが重要です。また、採用から入社までの期間が平均2か月と短いため、スピード感を持った準備が求められます。

<その他、求められるスキル>

  • ビジネスレベルの英語力
    社内外のコミュニケーションは英語が基本です。面接では現地人事担当者とのやり取りも多く、明確に自己表現できる英語力が必要です。

  • 自律的な行動力
    外資系や現地企業ではOJTや研修制度が限定的なため、即戦力として自ら考え行動できる人材が求められます。

  • 国際資格の保有
    PMP(プロジェクトマネジメント)、AWS認定資格など、専門性を証明する資格はキャリアアップに有利です。

  • ポートフォリオの提示
    GitHubなどを活用した技術力の可視化は依然として有効ですが、実務経験や成果の裏付けがより重視される傾向にあります。

IT業界の年収事情(年代別の一例)

20代後半  外資ITコンサルタント  約1,100万~1,300万円
30代前半  日系コンサルティング会社・チーフ職約1,200万~1,400万円
30代後半  日系商社・ITプロジェクトマネージャー  約1,400万~1,600万円
40代前半  日系商社・ITマネージャー  約1,600万~1,800万円

IT業界におけるキャリアの魅力

  • グローバルな環境で働ける
    ASEAN・APAC地域との連携が多く、国際的なビジネス経験を積むことができます。

  • マネジメント層との距離が近い
    フラットな組織文化の中で、上司や経営層とも直接意見交換がしやすい環境です。

  • 優秀な人材との協働
    世界中から集まるIT人材と共に働くことで、スキルと視野の両面で成長が期待できます。

  • 専門性を高められる職務設計
    分業制が徹底されており、特定分野のスキルを深めたい方にとって理想的な環境です。

転職事例

事例1)Aさん 40代前半

海外転職前のキャリア
Aさんは日本国内で約10年間、複数業界向けのシステム開発・導入に従事した後、かねてからの目標であったアメリカへの留学を果たしました。帰国後は、海外との取引がある中堅SIerに転職し、金融機関向けのシステム導入プロジェクトにPMOとして数年間携わりました。英語を使う機会はあったものの、「海外で働きたい」という思いが強く、転職活動を開始されました。

転職活動中のエピソード
コロナ禍の影響で求人が限られる中でも、Aさんは前向きな姿勢を崩さず活動を継続。プロジェクトの引き継ぎなど困難もありましたが、日頃から「海外で働きたい」という夢を周囲に語っていたこともあり、職場の仲間たちから温かい応援を受けながら転職活動を進めました。

シンガポール転職後の活躍
現在は金融機関に常駐し、ASEAN地域各拠点向けのシステムロールアウトをPMOとして担当しています。シンガポールのIT関連職は専門性を軸に分業が進んでおり、Aさんのように自分の強みを明確にし、それを磨き続ける姿勢が、海外転職成功の大きなポイントとなっています。

事例2)Bさん 20代後半

海外転職前のキャリア
Bさんは新卒で大手SIerに入社し、約3年間にわたりITコンサルタントやプロジェクトリーダーとして金融機関向けのシステム開発に従事しました。入社当初から「海外で働くチャンスがある」と聞いていたものの、若手という立場から海外駐在の機会には恵まれず、海外就労を実現するために転職活動を開始しました。

転職活動中のエピソード
前職では“若手”という点がネックとなっていましたが、Bさんはキャリアの棚卸しを丁寧に行い、自身の経験・強み・専門性、そして「なぜ海外で働きたいのか」「なぜシンガポールなのか」といった動機を明確に言語化しました。その結果、ある企業から高く評価され、採用に至りました。また、現地での働き方や生活情報など、ネットでは得られない情報を積極的に収集したことで、シンガポールでの就労イメージを具体的に描くことができました。

シンガポール転職後の活躍
現在は大手IT企業にてITコンサルタントとして勤務し、金融機関向けのシステム導入プロジェクトを担当しています。Bさんは、自身の専門性や海外就労の目的を明確に伝える力を持っていたため、企業とのマッチングもスムーズに進みました。こうした準備と自己理解が、面接での高評価につながったといえるでしょう。

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