単身ではなく、家族を伴って海外転職を果たした30代男性が、ベトナムでの生活と仕事の実情について語ってくれました。福岡県出身のこの男性は、大学卒業後に印刷会社へ入社し、営業職を経てグローバル部署へ異動。ベトナムへ渡航し、現在はハノイで法人営業を担当しています。
海外で働きたい想いから、思い切ってベトナムへ
Q1：海外転職を目指した理由は何ですか？
高校時代に帰国子女の先輩と仲が良く、英語に触れる機会が多かったことがきっかけです。大学時代にはオーストラリアへ留学し、将来は海外で働きたいという思いが強くなりました。前職では海外案件に関わる部署に異動しましたが、駐在のチャンスが見込めなかったため、転職を決意しました。
Q2：最終的にベトナムを選んだ理由は？
国にこだわらず複数のエージェントに登録し、業界の将来性と給与水準を重視して転職活動を行いました。家族がいるため、現地の生活水準に合った収入が得られるかも重要な判断基準でした。結果として、条件が合致した現在の職場とベトナムでの生活を選びました。
ベトナムでの苦労。それを乗り越えた先には？
Q3：実際にベトナムで働いてみて、仕事や生活面はいかがですか？
仕事面では、日本とベトナムで仕事の進め方が異なるため、戸惑うこともあります。報連相の文化が薄く、予定が共有されないまま進んでしまうこともありました。生活面では、配車アプリやキャッシュレス決済が普及しており、非常に便利だと感じています。
Q4：子育て環境についてはどう感じていますか？
日本と比べると、空気の質や交通事情など、子育てに不安を感じる場面もあります。特にハノイはバイクや車が多く、子どもを連れての外出には注意が必要です。ただ、現地の保育施設や教育環境については、選択肢も増えてきていると感じます。
Q5：ベトナムの文化で苦労した点はありますか？
報告や連絡が少ない点に苦労しました。例えば「お客様の訪問予定が決まったら教えて」と伝えても、事後報告になることが多く、業務に支障が出ることもありました。
Q6：そのような課題にはどのように対応していますか？
毎週のスケジュールを週初めに共有し、お願いしていたことについては期日の1〜2日前に進捗確認を行うようにしています。日本で働いていた時よりも、社内コミュニケーションに時間をかけるよう意識しています。
Q7：現地採用で給与が下がることについて、どう感じていますか？
物価に見合った収入があれば問題ないと考えています。可処分所得で見ると、日本にいた時と大きな差は感じていません。生活の質も保てているので、特に不満はありません。
家族と一緒に過ごすベトナムの日々
Q8：ご家族の同意はどのように得られましたか？
私の場合、妻と子供2人がおりますが、結婚当初から「いつか海外で働きたい」という思いを妻に伝えていました。私も妻も大学時代に留学経験があり、海外への関心が高かったため、前向きに受け止めてもらえました。海外転職を考え始めた時から、その思いを家族と共有することが大切だと感じています。
Q9：ベトナムに来て、想像と違った点はありましたか？
実は、渡航前にベトナムを訪れたことは一度もありませんでした。ですが、ネットで調べた情報通りで、特に大きなギャップはありませんでした。ハノイの冬は思ったより寒く感じましたが、雨は少なく、過ごしやすい気候だと思います。
Q10：子育て面で不安はありましたか？
子供がまだ小さかったため、幼稚園や病院の環境に不安がありました。渡航前にはインターネットやSNS、知人から情報を集め、気になる幼稚園にはWEB面談をお願いして直接話を聞くようにしました。結果として、渡航後は不安も解消され、現在は不自由なく暮らせています。
Q11：幼稚園はどのように選びましたか？
選択肢としては、ローカルのベトナム幼稚園、日系幼稚園、インターナショナル幼稚園の3つがあります。次男が1歳になったばかりだったため、日本語環境で過ごしてほしいという思いから、日系幼稚園に絞って探しました。1歳から預けられること、延長保育制度があること、見学時の雰囲気などを総合的に判断し、現在の幼稚園に決めました。
Q12：週末はどのように過ごされていますか？
近隣の公園に行ったり、家族でカフェを訪れたりしています。公園の数は日本より少ない印象ですが、1つ1つが広く、子供たちは遊具で遊んだり走り回ったりしています。ベトナムはコーヒー文化が根付いており、カフェの種類も豊富です。毎週違うカフェを訪れるのが家族の楽しみのひとつです。
迷っているなら、むしろ海外転職には挑戦を
Q13：海外転職を考えている方へ、アドバイスはありますか？
少しでも迷っているなら、ぜひ挑戦してみてください。海外に出てみないとわからないことがたくさんあります。ベトナムでの生活はとても楽しく、現地の方々の優しさや温かさに触れながら、充実した日々を送っています。一歩踏み出すことで、きっと新しい世界が広がると思います。
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